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骨髄[コツズイ]🔗🔉

骨髄[コツズイ] 【英】bone marrow 【独】Knochenmark 【仏】moelle osseuse 成人の骨髄は体重の約3.4〜5.9%を占め,重量では平均 2,600gある.このうち約1/2が細胞髄として造血を営んでいる.骨髄は,大別して骨内膜,血管系,脂肪組織,細網細胞,リンパ組織,骨髄実質細胞からなっている.胎生3週目に卵黄嚢の血島blood islandに血液幹細胞が出現して始まる造血は3ヵ月以後は肝・脾が主体となる.4ヵ月目からは骨髄における造血が始まり,顆粒球血小板を産生するようになる.その後,骨髄以外の造血は次第に消失し,出生とともに骨髄のみで造血が行われる.出生時はほぼ全身の骨髄で活発に造血を行っており,赤色を呈している.これを細胞髄(赤色髄)という.6歳以後は加齢とともに脂肪化が進み,脂肪髄(黄色骨髄)が増加する.脂肪化は長管骨の末端から起こり脊椎骨,胸骨,肋骨など体の中心部の骨髄は高齢になっても造血を営む.血液幹細胞は血流を介して移行し,より好適な造血の場に移行する.骨髄線維症など骨髄の荒廃に際しては成人でも脾・肝などにおいて造血を営むようになる(髄外造血).血液幹細胞の障害による骨髄の機能低下(再生不良性貧血)に際しては他人の骨髄を移植して回復させることができる(骨髄移植).

南山堂医学大辞典 ページ 2601 での骨髄[コツズイ]単語。