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膠原病[コウゲンビョウ]🔗🔉

膠原病[コウゲンビョウ] 【英】collagen disease(CD) 【独】Kollagenkrankheit, Kollagenose 【仏】maladie du collagne, collagnose 膠原病の概念はKlemperer(1942)らによって提唱されたもので,それまでの臓器中心の考え方では律することができない疾患に対し,系という考え方を導入した病理組織学的概念である.当初,全身性エリテマトーデス(SLE)と強(鞏)皮症について研究されたが,その後広範な結合組織の炎症を主病変とする疾患群として,慢性関節リウマチリウマチ熱多発性筋炎および結節性多発動脈炎が追加された.当時この考え方は多数の臨床家に支持され,その神秘的なひびきと相まって,ややもすればそれがあたかも診断名のように使われた.しかしKlemperer自身がいうように膠原病は疾患群であり,病因とは全く関係のない概念であり,その後2回にわたり,膠原病という診断名はないということを臨床家に警告している.膠原病を臨床的にみると,前記6疾患が含まれており,互いに共通する臨床症状や臨床検査成績を示す疾患群であるが,典型例ではそれが非常に異なっていることがわかる.さらに重要なことは,膠原病の範畴に入る疾患は,治療反応性が全く異なり,したがって生命予後が全く異なっている.このことからも膠原病ということを診断名として使用してはならないことがわかる.日常の診療では,ときとして「膠原病」としかいえない症例に遭遇することがある.しかしそのような場合でも,SLEの疑いとか,強皮症の疑いといったように分類し,決して膠原病と診断してはならない.→結合〔組〕織病

南山堂医学大辞典 ページ 2355 での膠原病[コウゲンビョウ]単語。