減感作療法[ゲンカンサリョウホウ]🔗⭐🔉振
減感作療法[ゲンカンサリョウホウ]
【英】hyposensitization therapy
《同義語》immunotherapy
減感作療法はIgE抗体が関与する即時型アレルギー反応(I型アレルギー反応*)の原因抗原であるアレルゲン*,とくに吸入性アレルゲンを生体内に投与し(一般には注射により),アレルゲンに対する過敏反応を軽減させようとする治療法である.本療法はアレルギー性疾患,とくにアトピー型〔気管支〕喘息(→気管支喘息),鼻アレルギー*,花粉症*などの治療に用いられる.減感作療法は古い歴史をもっているにもかかわらず,今なお,その作用機序は必ずしも明らかではない.しかし,減感作療法によりアレルゲンとIgE抗体との反応を抑制するIgGクラスに属する遮断抗体が上昇すること,IgE抗体が減少すること,マスト細胞(肥満細胞*),好塩基球の細胞膜に結合したIgE抗体とアレルゲンの反応によるこれらの細胞からの化学伝達物質の遊離が起こりにくくなること,サイトカインの産生低下などがその作用機序として想定されている.現行の減感作療法はまれにショックを惹起するという欠点をもっているので,その点を克服するため,変性抗原degenerative antigen,重合抗原polymerie antigenなどの開発がすすめられたが,臨床的に用いられるには至っていない.また,最近は短期間に大量のアレルゲンを投与する急速減感作治療も試みられている.
南山堂医学大辞典 ページ 2213 での【減感作療法[ゲンカンサリョウホウ]】単語。