クロラムフェニコール🔗⭐🔉振
クロラムフェニコール
【英】chloramphenicol(CP)
【独】Chloramphenicol
【仏】chloramph
nicol
【ラ】chloramphenicolum
NO2C6H4CH(OH)CH(NHCOCH2Cl2)・CH2OH. 抗生物質.白色〜黄白色の結晶で,水に難溶.においはなく,味は苦い.アメリカのJ. Ehrichらにより,放線菌Streptomyces venezuelaeの培養液から分離された.グラム陽性菌,グラム陰性菌,レプトスピラ,リケッチア,大型ウイルスによる感染症に有効である.クロラムフェニコールはテトラサイクリン*と並んで広域抗生物質broad spectrum antibioticsと呼ばれる.グラム陰性菌感染症のうち,腸チフス,パラチフス,ゲルトネル菌腸炎などのサルモネラ感染症に対してとくに有効である.作用機序:静菌的で,タンパク合成阻害により抗菌作用を発揮する.タンパク合成の段階としては,リボソームの50 Sのサブユニットに作用し,ペプチド結合形成やペプチド鎖のtRNAからの遊離を阻害するとされている.まれに再生不良性貧血*,顆粒球減少症granulocytopenia,血小板減少症thrombocytopeniaなど造血機能障害を生ずるので注意を要する.視神経,末梢神経障害もある.耐性菌の出現と副作用のため適応範囲が狭められ,使用量が大幅に減少している.

南山堂医学大辞典 ページ 1968 での【クロラムフェニコール】単語。