くる(佝僂)病[クルビョウ]🔗⭐🔉振
くる(佝僂)病[クルビョウ]
【英】rickets
【独】Rachitis
【仏】rachitisme
成長過程にある骨の石灰化障害にもとづいて発生する骨病変である.骨端軟骨の閉鎖以後に生じた場合は,骨軟化症*という.くる病はビタミンD*の供給不足,日光曝露不足,ビタミンD吸収低下,代謝障害による25-(OH)D3減少,代謝障害による1α,25-(OH)2D3減少,1α,25-(OH)2D3標的臓器感受性低下,リン欠乏,低ホスファターゼ,骨基質形成障害,などの原因によって生じる.典型的なビタミンD欠乏性くる病の症状は不機嫌,不安,不眠,発汗,蒼白な皮膚,筋弛緩,易疲労を訴える.肝脾腫大し,念珠,二重関節,ハリソン溝,泉門閉鎖遅延,頭蓋癆をみる.骨X線所見では手関節橈尺骨遠位端で骨端線がぼやけ,骨端拡大,杯状奇形像,骨端骨膜突起像を認める.血中無機リンは減少し,アルカリホスファターゼ値が上昇する.長期間持続すればX脚knock-knee(genu valgum),O脚bowleg(genu varum)などの骨変形をきたす.ビタミンD 600〜1,000 IU程度を投与し,日光浴を実施するが,改善がなければ原因疾患の鑑別が必要である.
南山堂医学大辞典 ページ 1932 での【佝僂】単語。