ICD-10(精神と行動の障害)[アイシーディー10]🔗⭐🔉振
ICD-10(精神と行動の障害)[アイシーディー10]
【英】the ICD-10 classification of mental and behavioural disorders
《同義語》国際疾病分類International Classification of Disease
世界保健機関World Health Organization(WHO)が作成し,1992年に刊行した国際疾病分類第10改訂international statistical classification of diseases and related health problems, tenth revision(ICD-10)の第V章が,精神と行動の障害(簡潔な用語集付き)に当てられている.WHOは,分類統計のみならず教育・研究・治療の国際的な協力や発展の障害となる精神疾患の診断や分類の不一致の克服,国際的コンセンサスづくりを重視し,前版のICD-9作成時から準備してきた.そして第10改訂に際しては世界的規模でのフィールドトライアルの結果や専門家の意見を集約し,アメリカ精神医学会のDSMシステムとの調和も考慮して,中心をなす臨床・教育用のICD-10精神と行動の障害:臨床記述と診断ガイドライン(通称ブルーブック)のほかにICD-10研究用診断基準(通称グリーンブック),プライマリーケア版,多軸診断版など目的に応じた多彩な独自の出版物を刊行した.ブルーブックでは,精神疾患はF0からF 9まで10の大きなグループに分けられた.3桁分類(例えば,F 00アルツハイマー病の痴呆)が通常の診断名で,4桁分類(例えば,F 00.0早発性のアルツハイマー病の痴呆)は亜型に,5桁分類は随伴症状や経過など他の特徴が記述できるようになっている.グリーンブックは厳密な操作診断基準を採用したが,ブルーブックでは臨床医の裁量の余地を残したガイドラインを採用している.DSM-IV*(1994)は,ICD-10精神と行動の障害とかなり類似した内容に改訂された.
南山堂医学大辞典 ページ 18 での【精神と行動の障害】単語。