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クモ膜下出血[クモマクカシュッケツ]🔗🔉

クモ膜下出血[クモマクカシュッケツ] 【英】subarachnoid hemorrhage(SAH) 【独】Subarachnoidalblutung(SAB) 【仏】hmorragie sousarachno dienne クモ膜下腔に出血した状態であり,頭部外傷によるクモ膜下出血を除けば,脳動脈瘤破裂によるものが最大の原因である(60〜80%).その他の原因としては,脳動静脈奇形破裂(10%),高血圧性脳内出血(10%),その他の順となっている.高血圧性脳内出血の場合は,出血が脳室内に穿破し,これがクモ膜下腔に流出したと考えてよい.〔症状〕 クモ膜下腔に広がった血液による髄膜刺激症状および脳圧亢進症状が前景となる.前者では項部硬直,Kernig徴候,Brudzinski徴候などの髄膜刺激症状が出,後者では頭痛,嘔気,嘔吐,さらには眼底出血などが出現する.破裂脳動脈瘤による出血では,一時的にしろ意識障害が約半数に出現する.また,頭痛はこれまで経験したことのない強烈な頭痛であることが特徴である.〔診断〕 血性髄液を証明することであるので,腰椎穿刺が行われる.頭蓋内圧上昇のケースが多いので,脳へルニアを防ぐため髄液採取の際に流出する髄液の量を最少にする必要がある.クモ膜下出血急性期にはX線CTスキャン上では血液は高吸収域として現れ,脳底槽,大脳間裂,シルヴィウス裂に高吸収域が現れるので腰椎穿刺をしなくても診断がつく.C. M. Fisherはこれらの部位の出血の程度を検討して,脳血管攣縮発生の予測ができるとした.〔治療〕(→脳動脈瘤).なおクモ膜下腔閉塞による慢性的な髄液循環障害が約10%に生じ,正常圧水頭症を引き起こす.その症状である歩行障害,尿失禁,知能障害は,髄液シャント術によって回復する.→ハントの分類フィッシャーの分類

南山堂医学大辞典 ページ 1863 でのクモ膜下出血[クモマクカシュッケツ]単語。