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クッシング症候群[クッシングショウコウグン]🔗🔉

クッシング症候群[クッシングショウコウグン] 【英】Cushing syndrome 【独】Cushing-Syndrom 【仏】syndrome de Cushing 1932年にアメリカのCushingによって記載された疾患で,慢性のコルチゾール過剰症によって独特の臨床症状を呈する.〔病因〕  ACTH産生下垂体腺腫(クッシング病), 副腎腺腫または癌, 異所性ACTH産生腫瘍(肺癌,膵癌や胸腺癌など)の3つがある.:は3:1で  が多く, はまれ.30〜40歳代の中年女性に多い.高血圧患者の0.2〜0.3%は本症であるとの推計もある.〔主な臨床症状〕 中心性肥満,高血圧,月経異常,伸展性皮膚線条,多毛症ざ瘡,筋力低下,骨粗鬆症,出血性素因,浮腫,精神障害や成長遅延など.一般検査では低カリウム血症高コレステロール血症,耐糖能異常,白血球(好中球)増多症などを認める.血中コルチゾール値が高値で,正常者にみられる朝高値,夕低値の日内変動が消失している.尿中17-OHCS排泄量と尿中遊離コルチゾール排泄量が増加している.尿中17-KS排泄量または血中デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)は病因  で増加, では低下傾向を示す.血漿ACTH値も  で増加し, で低下している.クッシング症候群のスクリーニングとして最も有効なのはデキサメタゾン抑制試験であり,メチラポン試験も鑑別診断に有用である.〔治療〕  のクッシング病は経鼻的下垂体腺腫摘除術(Hardy operation), のうち副腎腺腫は外科的摘除,副腎癌や異所性ACTH症候群にはo,p′-DDDの投与を第一選択とする(Harvey Williams Cushingはアメリカの外科医,1869-1939).

南山堂医学大辞典 ページ 1849 でのクッシング症候群[クッシングショウコウグン]単語。