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急性肝炎[キュウセイカンエン]🔗🔉

急性肝炎[キュウセイカンエン] 【英】acute hepatitis(AH) 【独】akute Hepatitis 【仏】hpatite aigu 【ラ】hepatitis acuta 肝臓の急性に経過するびまん性の炎症性疾患である.原因としては,肝炎ウイルス(HAV,HBV,HCV)〔HEV,HDVは日本ではほとんどみられない〕や薬物によるものがあげられる.重症度や臨床経過により定型的急性肝炎,劇症肝炎,さらに亜急性肝炎などに分類される.また急性肝炎は,輸血による血清肝炎(輸血後肝炎)と経口感染による流行性肝炎,散発性肝炎とに分けることができる.肝組織像では種々の程度の肝細胞の変性・壊死(劇症肝炎では広範壊死,亜急性肝炎では亜広範壊死),門脈域や小葉内の細胞浸潤,クッパー細胞の増生と腫大,さらには胆汁色素や胆栓などの胆汁うっ滞の所見がみられるが,線維化はみられない.臨床的には肝炎ウイルスによるものでは発症初期にはウイルス感染症としての全身性の症状が前駆し,次いで全身倦怠感,食欲不振,悪心,嘔吐,黄疸などの肝炎症状が出現する.薬物によるものでは,とくに薬剤アレルギーによるものでは発疹がしばしば先行する.検査所見としては血清GOT・GPTの著しい上昇と血清総ビリルビン値(直接型優位)の上昇があり,ビリルビン値の上昇のみがとくに目立ち,1ヵ月以上持続する型として急性肝内胆汁うっ滞がある.薬物によるものでは好酸球増多がみられる.

南山堂医学大辞典 ページ 1638 での急性肝炎[キュウセイカンエン]単語。