吸収不良症候群[キュウシュウフリョウショウコウグン]🔗⭐🔉振
吸収不良症候群[キュウシュウフリョウショウコウグン]
【英】malabsorption syndrome(MAS)
《同義語》同化不良症候群malassimilation syndrome
脂肪を中心に,脂溶性ビタミン,糖質,タンパク,無機質など各種栄養素の吸収が障害される疾患を吸収障害‐低栄養状態(栄養失調)という病態生理の面から一つの疾患単位として捉えた名称である.わが国では,膵疾患,胃・小腸切除例などによるものが比較的多い.代表的な症状は衰弱,浮腫,体重減少,出血,腹部膨満感,腹鳴,下痢,脂肪便などである.検査所見では糞便脂肪,窒素量の増加,血清総タンパク,アルブミン量の減少,血清カロチン,血清コレステロール,血清鉄などの低下がみられることが多い.診断にあたっては,各種栄養素の吸収障害により惹起される低栄養状態を症状や検査所見から評価し,次いで吸収試験法(消化吸収試験*)を行い吸収障害の有無および程度を検討する.これらの吸収試験法で異常がみられた時にはその原因疾患を明らかにするため,小腸X線検査や小腸生検が必要である.治療にあたっては,一般療法として栄養管理が最も重要である.また原因疾患あるいは特殊な病態に対しては消化酵素剤,抗生物質などの特殊療法が必要である.
南山堂医学大辞典 ページ 1625 での【吸収不良症候群[キュウシュウフリョウショウコウグン]】単語。