気管支炎[キカンシエン]🔗⭐🔉振
気管支炎[キカンシエン]
【英】bronchitis
【独】Bronchitis
【仏】bronchite
気管支炎は気管支主幹部から終末細気管支にまで生ずる急性または慢性炎症性病変である.急性気管支炎*の多くはウイルス性上気道炎に続発するもので,かぜ*(感冒)やインフルエンザ*,とくに麻疹*や百日咳*の後に細菌感染によって生ずる.気管支幹部はリゾチーム,分泌型IgA,多くのオプソニン*などによって細菌感染から守られているが,上気道炎*や免疫不全などによってこの防御系が弱体化すると口腔内細菌が下気道へ侵入し感染が成立する.気管支炎はさらに高温ガスや毒ガス,アンモニア,硝酸ガス,亜硫酸ガスの吸入によっても生ずる.慢性気管支炎*は急性気管支炎を生ずる要因がくり返し作用して,気管支粘膜壁に変形と変性をきたし,正常な気管支の粘膜機能が失われている状態をいう.すなわち気管支系が外気の温度,湿度に対する適応性を失って容易にせき反射cough reflexをくり返し,また内腔のクリアランス機能が失調して気管支腺は過剰分泌状態を持続し,分泌液の排除ができずに内腔を塞ぐ.
南山堂医学大辞典 ページ 1508 での【気管支炎[キカンシエン]】単語。