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気圧[キアツ]🔗🔉

気圧[キアツ] 【英】atmospheric pressure 【独】Luftdruck 【仏】pression atmosphrique 《同義語》大気圧 大気の圧力のことである.地点の単位面積上の気柱の重さに相当する.単位はdyn(ダインdyne)/cmであるが,1,000 dyn/cmを1hPa(ヘクトパスカルhecto Pascal)と呼ぶ.1hPaは1mb(ミリバールmilibar)に等しい.低気圧下では空気中の酸素は20%と一定であるが,気圧そのものが下がるので分圧partial pressureも低くなる.この際の身体障害は高山病と呼ばれ,酸素分圧の低下による動脈血酸素欠乏症が主因となる.酸素欠乏による影響は,標高3,000 mから現れ始め,まず呼吸数が増え,4,500 mから固有の障害が現れ,脈拍数が増え,酸素欠乏による中枢神経症状として,判断力低下,単麻痺,知覚異常などが現れる.6,000 mから8,000 mでは生命に危険となり失神状態となり死亡する.また飛行機などにより急激に高空の低気圧にさらされると,血液,体液,その他組織に溶解していた窒素ガスが遊離して気泡となり空気塞栓air embolismなどの障害を起こす.高圧下では気圧障害barotraumaがみられるが,これは加圧時のスクィーズというよりも減圧時止息状態で肺胞の破裂による気胸や空気塞栓が多い.また特定の気圧配置下で発症するものは気象病meteorotropic diseaseの一種である.

南山堂医学大辞典 ページ 1494 での気圧[キアツ]単語。