肝臓[カンゾウ]🔗⭐🔉振
肝臓[カンゾウ]
【英】liver
【独】Leber
【仏】foie
【ラ】hepar
人体中最大の腺であり,消化腺の一つ.腹腔の上部右側で横隔膜*の直下にあり,右端で上下にもっとも厚く,左方ほど薄い.上面は横隔膜に沿う凸面(横隔面)をなし,下面は浅い凹面(臓側面)を呈してその中央に肝門がある.肝円索・静脈管索の通る溝と肝鎌状間膜の付着線とにより,約5/6を占める右葉と残りの左葉とに分けられ,右葉の下面に方形葉と尾状葉が区別される.肝臓の実質は小葉間結合組織(グリッソン鞘*)で区切られた無数の肝小葉が単位となっており,肝門を通る門脈*・固有肝動脈・肝管(→胆道)・リンパ管が共に分岐して各小葉に達し,血液を送り込み胆汁とリンパを運び出す.小葉の血液は中心静脈で導き出され,肝静脈に集まって下大静脈に注ぐ.肝小葉では洞様血管を通る血液に肝細胞・星細胞が作用する.これが肝臓の主な作用であり,胆汁分泌のほかに糖分貯蔵・血糖調節,有害物質を解毒,血漿タンパク・ヘパリン・貧血阻止物質の産生など,生存に不可欠のものである.
南山堂医学大辞典 ページ 1417 での【肝臓[カンゾウ]】単語。