肝硬変[カンコウヘン]🔗⭐🔉振
肝硬変[カンコウヘン]
【英】cirrhosis
【独】Leberzirrhose
【仏】cirrhose
線維増生と再生結節で特徴づけられる肝臓のびまん性疾患である.過去に何らかの原因で肝細胞に壊死が起こり,その結果増生した線維が,結節性に再生した肝実質を取り囲んだ像をいう.壊死の原因はいろいろであるが,終末像は同じである.結節形成のない線維化,線維化のない結節形成は肝硬変と呼ばない.病因別,組織形態別の分類がなされている.Sherlock(1984)は病因別に次のように分類している.viral hepatitis(ウイルス性肝炎*),alcoholic hepatitis(アルコール性肝炎*),metabolic,cholestasis,hepatic venous outflow block,immunological,toxins & drugs,Indian childhood,cryptogenicである.肉眼所見ではmicronodular,macronodular,mixedの3型に分ける.組織学的にはportal,postnecrotic,biliary,venous outflow obstructive,hemochromatoticなどである.現在までに種々の分類が試みられ,やや混乱気味であった.それは成因と病理形態,臨床を明確に分離しなかったことによる.病態は肝細胞障害と門脈圧亢進症とに基づく.前者は黄疸*,腹水,肝性脳症*,低アルブミン血症*,出血傾向など,後者は脾腫*,食道静脈瘤などで表現される.これら症状の有無により代償性と非代償性に分ける.わが国では,HBV陽性20%,HCV陽性50%,アルコール性12%,その他18%程度である.予後は成因により異なる.死因は肝性脳症,静脈瘤破綻,肝癌合併が主であるが,前二者の治療法の発達で生存率が高まり,肝癌死する頻度が増加しつつある.→肝線維症
南山堂医学大辞典 ページ 1345 での【肝硬変[カンコウヘン]】単語。