管腔内消化[カンクウナイショウカ]🔗⭐🔉振
管腔内消化[カンクウナイショウカ]
【英】intraluminal digestion
《同義語》腸内消化intestinal digestion, Verdauung im Darm, digestion intestinale
食物を腸管において吸収しうる形に変形させる過程の全体を消化というが,それは管腔内消化(腸内消化)と膜消化*membrane digestionとに分けられる.管腔内消化は,口腔内咀嚼と消化管運動によるところの食物の粉砕,混合,撹拌,移送などの物理的消化physical d.と,唾液腺・胃腺・膵臓・胆嚢・腸腺より管腔内に分泌されるところの消化液による化学的消化chemical d.の2つからなる.消化液中に含まれる各種消化酵素,胆汁酸塩およびH+やHCO3−(によるpHの調整)によって化学的消化が実現される.消化液中の粘液は消化管粘膜を保護すると共に,消化管運動を円滑にすることによって物理的消化を助ける.管腔内消化においては単分子への完全な加水分解までは至らない.その方が管腔内浸透圧を著しく高めないので合目的的である.完全な加水分解による終末消化terminal d.は小腸上皮細胞刷子縁膜上における膜消化によって行われ,分解物はただちに吸収されることになる.
南山堂医学大辞典 ページ 1331 での【管腔内消化[カンクウナイショウカ]】単語。