アトロピン🔗⭐🔉振
アトロピン
【英】atropine
【独】Atropin
【仏】atropine
【ラ】atropinum
《同義語》硫酸アトロピンatropine sulfate
ベラドンナ,ロート,マンダラ,ヒヨスなどのナス科植物の根や葉に含まれるアルカロイドで,植物中では左旋性の物質(ヒヨスチアミンhyoscyamine)として存在するが,単離によりラセミ化racemizationしたものをアトロピンという.代表的な抗ムスカリン薬.副交感神経節後線維支配器官に対するアセチルコリン*の作用を競合的に遮断し,散瞳,遠視性調節障害,眼内圧上昇,消化管の運動と消化液分泌の抑制,心機能の抑制と末梢血管の抵抗を低下させる.大脳皮質,とくに運動領を興奮させ,また,精神発揚,幻覚を生じる.パーキンソン病*(パーキンソニズム*)に伴う振戦,硬直を抑制する.〔承認投与量の上限〕 硫酸アトロピン:(経口)1日1.5mg,分3;非薬物性パーキンソニズム 1日1mg,分3;(注射)0.5mg;有機リン系殺虫剤中毒 軽症 1mg,中等症 2mg,重症4mg;ECTの前投与 1回0.5mg;(点眼)0.5〜1%液 1回1〜2滴,1日1〜3回;(眼軟膏)1%眼軟膏 1日1〜3回.
南山堂医学大辞典 ページ 123 での【アトロピン】単語。