化膿性髄膜炎[カノウセイズイマクエン]🔗⭐🔉振
化膿性髄膜炎[カノウセイズイマクエン]
【英】purulent meningitis
【独】eitrige Meningitis
【仏】m
ningite purulente
【ラ】meningitis purulenta
《同義語》化膿性脳脊髄膜炎
細菌感染による軟膜,クモ膜およびクモ膜下腔の炎症であり,主な原因菌は,髄膜炎菌*,肺炎球菌,インフルエンザ菌,レンサ球菌,大腸菌,ブドウ球菌などである.感染経路は,血行性,外傷性あるいは中耳,副鼻腔などからの波及などによる.病理組織学的には,脳槽や脳表の溝の部分に多形核白血球,マクロファージ,リンパ球などの炎症細胞や滲出液が認められる.臨床症状は,一般に発熱,頭痛,嘔気,嘔吐,痙攣,意識障害あるいは精神症状が出現し,神経学的には,項部硬直*,ケルニッヒ徴候*Kernig's sign,ブルジンスキー徴候*Brudzinski's signを認める.検査所見は,一般の炎症所見に加えて,髄液所見が重要である.髄液所見は,外観は混濁ときに膿性,圧上昇,細胞数増加,とくに多形核白血球の増加,タンパク上昇,糖の低下を認める.原因菌の検索のため,菌の培養,同定が必要となる.治療は,ペニシリン系などの抗生物質の全身投与が有効である.髄膜炎の後遺症として,髄液の吸収障害による水頭症や硬膜下水腫の出現に注意すべきである.

南山堂医学大辞典 ページ 1216 での【化膿性髄膜炎[カノウセイズイマクエン]】単語。