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潰瘍性大腸炎[カイヨウセイダイチョウエン]🔗🔉

潰瘍性大腸炎[カイヨウセイダイチョウエン] 【英】〔idiopathic〕 ulcerative colitis(UC) 【独】chronische suppurative Kolitis 【仏】colite ulc reuse 【ラ】colitis gravis, colitis chronica gravis, colitis ulcerosa 潰瘍性大腸炎は主として大腸粘膜を侵し,びらんや潰瘍を形成するびまん性非特異性炎症である.30歳以下の成人に多いが,小児や50歳以上のものにもみられる.病因は不明であるが,反復持続する何らかのnoxaが関与し,これには自己免疫的機序の関与が考えられている.わが国では,人口10万人当たり0.3人前後の年間発生率とされる.粘血便mucous and bloody stool,血便bloody stool,下痢が主な症状であり,また腹痛,発熱,食欲不振,体重減少,易疲労感などもみられる.本症は病変の部位と広がりにより, 1)直腸炎型, 2)区域性大腸炎型, 3)左側結腸型, 4)右側結腸型, 5)全大腸型,に分けられるが, 2)と4)の頻度は少ない.活動期にはびまん性かつ連続性にびらんや潰瘍,腸管の狭小化,ハウストラhaustraの消失などが認められ,寛解期には腸管の狭小化やハウストラは回復し炎症性ポリープを認める.長期経過例では,癌の合併がまれでない.診断は,細菌性赤痢,アメーバ赤痢,日本住血吸虫症,大腸結核などの感染性大腸炎および放射線性大腸炎,虚血性大腸炎,肉芽腫性大腸炎を除外し,X線所見,内視鏡所見,および生検組織所見などから総合的になされる.治療は薬物療法として,副腎皮質ステロイド,サラゾスルファピリジン,免疫抑制剤,抗生物質などが用いられる.その他,栄養の豊富な食事,安静,輸液が重要である.外科的処置は大出血,巨大結腸穿孔,癌化または再発を繰り返す症例に必要である.

南山堂医学大辞典 ページ 1022 での潰瘍性大腸炎[カイヨウセイダイチョウエン]単語。