大海(たいかい)は芥(あくた)を選(えら)ばず《故》🔗⭐🔉振
大海(たいかい)は芥(あくた)を選(えら)ばず《故》
大海は川からごみが流れ込むのを問題にしない。大人物は度量が広くてさまざまな人を受け入れる、という意。
大喝一声(たいかついっせい)《故》🔗⭐🔉振
大喝一声(たいかついっせい)《故》
大きな声でしかりつける。どなりつける。「喝」は、もと禅宗(ぜんしゅう)で、死者に引導(いんどう)を渡す時に、大きなかけ声をかけること。
大廈(たいか)の顛(たお)れんとするや一木(いちぼく)の支(ささ)うるところに非(あら)ず《故》🔗⭐🔉振
大廈(たいか)の顛(たお)れんとするや一木(いちぼく)の支(ささ)うるところに非(あら)ず《故》
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)文中子(ぶんちゅうし)・事君(じくん)>
国家が滅びそうになった時には、一人の力ではどうすることもできないたとえ。「大廈」は大きな建物。大きな家が倒れそうな時には、とても一本の突(つ)っかい棒で支えられるものではない、という意。

対岸(たいがん)の火事(かじ)《慣》🔗⭐🔉振
対岸(たいがん)の火事(かじ)《慣》
自分には関係がないこととして、少しも苦痛や危機感を抱かないこと。「我が国にとってもエネルギー危機は対岸の火事だとは言っていられない問題だ」
〈類句〉対岸の火災
大姦(たいかん)は忠(ちゅう)に似(に)たり《故》🔗⭐🔉振
大姦(たいかん)は忠(ちゅう)に似(に)たり《故》
−<(
)宋史(そうし)・呂誨伝(りょかいでん)>
大悪人は、うまく表面をつくろってなかなかしっぽを出さないから、かえって忠誠な人のように見える。
〈原文〉「大姦(たいかん)は忠に似たり、大詐(たいさ)は信(しん)に似たり〔大悪人はいかにも忠誠の人のように見え、ひどい詐欺師(さぎし)はいかにもうそがないように見える〕」

大義(たいぎ)親(しん)を滅(めっ)す《故》🔗⭐🔉振
大義(たいぎ)親(しん)を滅(めっ)す《故》
−<(
)左伝(さでん)・隠公(いんこう)四年>
大きな道義のためには私情を捨てる。君臣間の大義を全(まっと)うするためには、父子兄弟の情愛を犠牲にすることがある、という意。春秋時代、衛の君主を殺した公子(こうし)州吁(しゅうく)が、石厚(せきこう)と共に陳(ちん)の国に行った時、厚の父の石
(せきさく)が二人を反逆者として殺した故事。
〈原文〉「君子曰(いわ)く、石
(せきさく)は純臣なり。州吁(しゅうく)を悪(にく)みて厚(こう)与(あずか)る。大義親(しん)を滅すとは、其(そ)れ是(これ)を之(こ)れ謂(い)うか、と〔君子は評して言った、石
(せきさく)は実に二心のない立派な臣である。州吁(しゅうく)の大逆をにくんで、これを除こうとしたが、わが子の石厚がそれに関与していたので、わが子までも殺した。昔から大義のためには、肉親までも殺すといわれるが、それは石
のこうしたことをいうものであろうか〕」





三省堂慣用句辞典 ページ 2437。