(5) 程度・強調の副詞🔗⭐🔉振
(5) 程度・強調の副詞
程度にも強調的な意味を表す上限のほうから,中程度,さらに弱い程度,そして否定的なものまでさまざまある。上限のほうから順に例を示す。
│「完全に,絶対に」: absolutely, completely, entirely
│「非常に」: deeply, greatly
│「まあまあ,かなり」: enough, rather
│「やや,わずかに」: slightly, somewhat
↓ 否定的: hardly, scarcely
* 近似を示す almost や nearly などもこれに含まれる。 ⇒ §142-[3]
〔文中での位置〕
動詞だけでなく,形容詞・副詞・不定代名詞・数詞なども修飾するが,動詞を修飾する場合の位置は次のとおり。
中位がふつうだが,文尾にも置く。
A few hours in bed will cure the ache completely.
(2,3時間寝ていれば,痛みは完全にとれるでしょう)
Bromine somewhat resembles chlorine in its odor.
(臭素はにおいが塩素にやや似ている)
* 会話では副詞だけが単独で用いられることが多い。
“Do you think so?” “Absolutely.”
(「そう思うかい?」「まったくそのとおり」)〔強調〕【同意】 →音声
程度が弱いことや否定的意味を示す副詞には中位のみのものがある。
I can hardly thank you enough for your kindness.
(ご親切にお礼の申し上げようもありません)【感謝】 →音声
* 丁寧な手紙文などに用いる。I really can't thank you enough for … というと,さらに強くなる。
[2] 副詞の各種の用法とその位置



§375 全体否定と部分否定🔗⭐🔉振
§375 全体否定と部分否定
「(全く)〜ない,両方とも〜ない」のように全体を否定することを全体否定といい,「すべてが[両方とも,いつでも]〜とは限らない」のように一部分を否定することを部分否定という。一般に否定語とともに次のような語が用いられるとふつう部分否定になる。 ⇒ §103-[1]-(4)
absolutely(完全に) all(すべての)
altogether(全く) always(いつも)
both(両方の) completely(完全に)
each(それぞれの) entire(全体の)
entirely(全く) every(すべての)
everybody(みんな) everyone(みんな)
everything(すべてのもの) everywhere(あらゆるところ)
exactly(正確に) generally(たいてい)
necessarily(必然的に,必ず) quite(全く)
whole(全体の) wholly(すっかり)
┌ Not all see the problem with the same sense of urgency.
│ (みんながその問題に同じ緊急性を感じているわけではない〔一部の人はそれほど問題にしていない〕)〔部分否定〕
│ Nobody sees the problem with the sense of urgency.
└ (だれもその問題に緊急性を感じていない)〔全体否定〕
┌ I haven't read both articles.
│ (私はその記事を両方とも読んだわけではない)〔部分否定〕
│ I haven't read either article. (=I have read neither article.)
└ (私はどちらの記事も読んでいない)〔全体否定〕
* これだけだと初めの 〈not 〜 both〉 の文が全体否定の「その記事の2つとも読んでいない」の意味にとられることもある。しかし,I read only the one on the unemployed.(失業者についての記事しか読んでいない)というような文が続けば,文脈から部分否定であることがはっきりする。
┌ You can tell a child what to do, but he won't always obey.
│ (子供に何をするか教えてやることはできるが,必ずしも言うことをきくとは限らない)〔部分否定〕
│ You can tell the child what to do, but he will never obey.
└ (その子に何をするか教えてやることはできるが,決して言うことをきかないだろう)〔全体否定〕
[注] 1. not と all,both,every などの語順:
原則として上の例文のように not … all(など)の語順をとるが,誤解のおそれがない限り all … not の語順をとることもある。
All that glitters is not gold. 《ことわざ》
(輝くものがみな金とは限らない)
both は all と違って,Not both of them are alive. のように,Not both … で文を始めることはできない。ただし,次のような形は可能であるし,省略形の Not both of them. というように言うことはできる。
We can have one or the other but not both.
(どちらか一方は手に入るが両方というわけにはいかない)
[注] 2. All … not と全体否定:
次のような場合は全体否定になる。これは all が「どれをとってもすべて,おのおのがみんな」という配分的な意味でなく,「すべてをひっくるめて全部」と集合的な意味であるためである。
All his riches would not satisfy the girl.
(彼の富のすべてをもってしてもその少女は満足しないだろう)
All the King's horses and all the King's men couldn't put Humpty together again. 《マザーグース童謡》
(王様の馬全部と王様の家来全部が力を合わせても,ハンプティ〔擬人化された大きな卵〕をもとどおりにできなかった)
第2節 否定構文

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