情報
「文書」を糸口に未解決事件を鮮やかに解決していく爽快ミステリードラマ!体育会系の熱血刑事(波瑠)&頭脳派の文字フェチ刑事(鈴木京香)…最強凸凹コンビが誕生!
詳細情報
◇番組内容
ショップ店員が山中の橋から転落し、意識不明の重体に陥った。そして、その女性の車から採取された毛髪のDNAが、15年前に失踪した主婦・藤田里美(真飛聖)のものと一致…。
◇出演者
波瑠、沢村一樹、工藤阿須加、山内圭哉、西銘駿、高田純次、光石研、遠藤憲一、鈴木京香
【ゲスト】真飛聖、堀部圭亮、吉井怜
◇原作
麻見和史『警視庁文書捜査官』(角川文庫/KADOKAWA刊)
◇脚本
大森美香
◇演出
樹下直美(アズバーズ)
◇音楽
村松崇継
【主題歌】平井堅『知らないんでしょ?』(アリオラジャパン)
◇スタッフ
【ゼネラルプロデューサー】横地郁英(テレビ朝日)
【プロデューサー】服部宣之(テレビ朝日)、菊池誠(アズバーズ)、岡美鶴(アズバーズ)
◇おしらせ
☆番組HP
http://www.tv-asahi.co.jp/mikaiketsu/
☆Twitter
https://twitter.com/mikaiketsu2018
☆Instagram
https://www.instagram.com/mikaiketsu2018/
『未解決の女 警視庁文書捜査官 #4』のテキストマイニング結果(キーワード出現数BEST10&ワードクラウド)
里美
藤田里美
陸人
事件
岡部
河村綾子
自分
長瀬真智
草加
年前
『未解決の女 警視庁文書捜査官 #4』の解析用ソース(番組内容ネタバレ注意!)&EPG情報の引用
♬~(祭囃子)
♬~
(藤田陸人)お母さん!
(藤田里美)あっ…。
(陸人)超混んでるよ。
やっと買えた。
そりゃ お祭りですもの。
ねえ これ 買ったのは
おじいちゃまに内緒よ。
こういうの嫌がるんだから。
わかってるよ。
しかも 小吉だし。
切ねえ!
「切ねえ!」って…。
いいじゃない。
こういうのは
いい事だけ信じておけばいいのよ。
あら やだ。
「学問 危うし」だって。
ガーン!
ハハッ…!
(藤田颯太)お母さん!
(里美)ああ…。
やだ そんなにたくさん買ったの?
(颯太)どこで食べる?
(藤田晃一)えっ?
ああ あっちに座るとこあったろ。
やったー! 焼きそば。
じゃあ 結んできてあげる。
(陸人)ありがとう。
よし じゃあ 行こう。
♬~
〈このあと
品川区在住の主婦 藤田里美が
行方不明となる〉
里美!
〈家族が神社の内外を
数時間 捜したが見つからず
110番通報〉
〈その後 事件・事故の両面で
捜索が行われたが
目撃証言はおろか
衣服や痕跡すら
発見される事はなかった〉
本当に
素敵な奥さんだったんですよ。
おきれいで…。
〈理想の主婦の突然の失踪に
世間では神隠しの説まで流れ始め
その後も
手掛かりは見つからないまま…〉
〈いつしか 捜査の歯車は
止まってしまった〉
〈その歯車が
再び動き出すのは…〉
〈それから15年
待たなければならない〉
(悲鳴)
(庄野 仁)
室長 こちらです。
(岡部 守)
古賀室長 お疲れさまです。
(古賀)人を殺すには
うってつけの場所だな。
(桑部一郎)
まだ死んじゃいませんよ。
全身打撲で意識不明の重傷。
まあ あんなとこから
突き落とされちゃあねえ。
(岡部)ガイシャは長瀬真智 34歳。
詳しい事は調査中です。
で なんで この俺を?
(桑部)ガイシャの乗っていた
車のシートから検出された
毛髪を調べたら その中の1本が
ある失踪者のDNA型と
一致しましてね。
(岡部)これです。
すでに
失踪宣告は受けていますが。
(由比雄一)これは… 15年前の?
♬~
なるほどね。
〈過去の未解決事件
通称コールドケース〉
〈警視庁には
解決できないままの事件が
数多く眠っている〉
〈そう 俺は
未解決事件専門捜査チームの
リーダー〉
〈さあ 迷宮入り事件の扉を
今 俺が開く〉
(矢代 朋)
室長 何してるんですか?
気にするな。
気分を盛り上げていただけだ。
資料 早くしろ!
はい! これ…。
15年前の
主婦神隠し事件の手掛かりが
見つかったんですよね?
(財津喜延)そうそう。
髪の毛が出てきたって。 ねえ?
(草加慎司)ええ。
あの… 自分 思うんすけど
先日 起きた事件で発見されたなら
きっと その毛髪も最近のもの。
15年間 行方不明の藤田里美さんが
生きているかもしれません。
でもさ 生きてるんだったら
なぜ 表に出てこないんだろうね?
ああ それは…
あっ 例えば 記憶喪失とか。
ハハハハッ!
それはドラマの見すぎでしょう。
朝ドラとか。
ねえ?
ハハ…。
井戸端会議は以上か?
はい?
捜査は上の仕事だ。
脇役は 倉庫の番に集中しろ。
えっ… 脇役!?
♬~
ワオ!
(岡部)転落事件のガイシャは
長瀬真智 34歳。
山梨県のアパレルショップ店員。
休暇中に車で出かけ
奥多摩山中で被害に遭った。
現場は人気はなかったが
通りがかりの地元の人間が
遠目から
ガイシャが
後ろ向きに落ちていくのを目撃。
殺人未遂の可能性が高いと
判断した。
なるほど。
あっ あの…
何か文書はありませんか?
このままだと
6係の出番がなさそうで…。
はあ? いつもいつも
文書があるわけないだろ。
これ 数字… 暗号?
わからん。 毛髪同様
ガイシャの車から見つかった。
文書 ありました!
被害者の乗っていた車に…。
えっ… ちょ…。
何してるんですか? 鳴海先輩。
仕事よ。 今日は
5年前の捜査資料のチェックを。
へえ~。
…って それ
自分が所轄時代に書いたやつ!
平仮名の多さが特徴的ね。
文章も 前向き。
っていうより
前しか見えない性格が
よく出てる。
これは 自分で
あとでチェックしますから!
これ… この暗号も
一緒に発見された
毛髪と同じように
15年間 行方不明の主婦のものじゃ
ないでしょうか?
数字ね…。
8の書き方に特徴があるけど…。
何かの裏紙…。
「草見公園」?
このメモの秘密がわかれば
行方不明の藤田里美さんも
発見できるかもしれません。
前向きすぎるわ。
おおかた
生きてはいないでしょうね。
身元不明の遺体は 警視庁だけで
年間 約100体 発見されている。
もう そんな殺生な…。
(財津)しかし
事件性のない大人の失踪は
通常
ほったらかしが多いんだけどな。
この15年前の事件は
捜査員150人態勢で
10日間にも及ぶ
大捜索をしてるんだね。
(草加)ええ。
消えた藤田里美の義理の父親は
衆議院議員の藤田陽介。
夫も 当時
その第一秘書だったそうです。
どうりで DNAも保存され
古賀室長が
張り切って この長い階段を
下りてくるわけだな。
じゃあ 我々も始めますか。
おい 行くぞ。
はい!
あら 珍しい。
今日は みんなでヒーローごっこ?
いや 文書が出てきたら
我々の出番でしょう。
脇役には脇役の役割があると。
ねっ?
フッ…。
はい!
もしかして 係長 根に持ってる?
えっ? なんの話?
〈凶悪事件の時効廃止に伴い
作られた
警視庁 特命捜査対策室
その6係〉
〈文字から真実を暴く刑事たちが
未解決事件に挑む〉
見た事ないぞ!
うわっ 怪しい!
(子どもたち)怪しい!
失礼な!
お姉さんたちは警察です。
えっ 嘘? 服が違う!
手帳 見せてみろよ。
しょうがないな…。
はい。
うわっ! すげえ!
こいつ 偽物じゃなさげじゃね?
そう 本物です。
ねえ みんな
こういうの見た事ないかな?
あっ! これ 明日来るよ。
来る?
うん! ほら あれ。
なるほど!
移動図書館のチラシねえ。
はい。
車両を所有している図書館の
検索機の所に置いてある
メモ用紙と同じものでした。
という事は
この9桁の数字は
蔵書の資料コード?
そのとおり。 今 草加さんが
該当図書を調べています。
わかった。 じゃあ
そのメモにある資料コードの本
全部 借りてきて。
はい!
これが メモの番号から割り出した
蔵書と資料です。
(岡部)これ 全部
あの神隠しの事件の…。
それから この数字の筆跡を
失踪した藤田里美と
長瀬真智のものと
比較してみました。
(岡部)あっ 8のここ。
1も こう書く癖がある。
(財津)はあ… つまり
この蔵書のメモを書いたのは
この長瀬真智。
(草加)…の可能性が高い。
(川奈部)なるほどね…。
しかし これだけ
突っ込んで調べていたとなると
神隠し事件に首を突っ込んで
襲われた可能性がある。
長瀬真智の周辺 洗い直すぞ。
(岡部)はい!
ほう…。
こんな紙切れから
ここまで情報がつかめるとはな。
えっ?
しかも 今回は
当てずっぽうではなく
なかなか有益な情報だ。
目力…
よくやった。
吉田 行くぞ。
(吉田治郎)はい。
メヂカラって何?
あの人が うちを褒めるなんて
気味が悪いわ。
そうですか? なんか 今日は
いい上司って感じ。
ああ?
目ぇ覚ましてくれりゃ
一発で解決なのにな。
はい 失礼致します。
選挙前のお忙しい時期に
すみません。
いえ。 あっ どうぞ。
はい。
それで 妻の事件を再捜査すると?
はい。 とある事件との
関連性が見つかりまして。
今度こそ 我々 特命捜査対策室で
解決をと考えております。
そうでしたか。
でも
息子たちも もう 大学生です。
もう 母親が戻って来ない事も
わかってる。
どうか 我々 家族よりも
もっと困って
涙を流している他の誰かに
手を差し伸べてあげてください。
(草加)夫の藤田晃一は
穏健派のナイスガイで
恨みを買うような事は
なかったらしい。
ナイスガイってなんですか?
(財津)それに その夫自身が
事件前の藤田里美は
特に変わった様子はないと
言っている。
どうだか。
浮気相手と駆け落ちとか
新興宗教にはまって
家族を捨てるつもりだった
可能性もあるわ。
また そんな事を。
自分には この藤田里美さん
どう考えても
そんな悪いお母さんには
思えません。
もっと
真実のかけらを探しましょう。
この どう見ても
素敵なお母さんに
あの日 一体 何が起こったのか。
さすが代議士。
大きい家ですね。
(チャイム)
(女性)「あいにく
藤田は外出しております」
職場のほう行ってみるか。
もしかして
藤田里美さんの息子さん?
はい。
いろいろ 面白い話が聞けました。
橋から落ちた長瀬真智は
15年前 例の神社で
巫女のバイトをしている。
(岡部)巫女のバイト?
事件については?
「バイト先で大事件発生~」と
はしゃいでいたとかなんとか。
それに 職場の同僚によると
甲府のナンバーワンホストにはまって
金に困っていたらしい。
よーし これで繋がったな。
長瀬真智は
15年前 すでに 藤田里美と
なんらかの接点があった
可能性があるってわけだ。
そして 15年後の今
事件について熱心に調べていたか。
金に困っていた事も
関係していそうですね。
よし。
可能性は大きく分けて2つだ。
15年前 藤田里美の
失踪事件に関わった長瀬真智が
15年後の今になって
なんらかのトラブルに
巻き込まれたか
あるいは 今になって
失踪事件の秘密を知り
それが原因で殺されかけたか。
いずれにせよ 鍵は…。
この15年という時間だ。
(一同)はい。
あの… お母さんが
15年前のあの日
神社の境内で
誰かに会ってたとか
何か覚えてる事って
ありませんか?
(颯太)そんなのあったら
15年前に言ってますよ。
(陸人)刑事が来たと思ったら
そんな事かよ。
(草加)すみませんね。
我々は 未解決事件を
再捜査する部門ですので
再確認をさせて頂きました。
あの 料理ですか?
うん。 今日は僕が当番だから。
えっ… 自分で作るの?
父さんは ハウスキーパーに任せろ
って言うけど
どの人に作ってもらっても
口に合わないっていうか…。
だったら 自分らで作ったほうが
面倒じゃないしね。
うわっ 自分より ずっと上手だ。
母さんが教えてくれた。
兄貴なんか もっと上手いよ。
すごい細かく教えられたんで。
包丁は こう持つとか…。
(草加)いいお母様だ。
自慢の母でした。
誰にでも優しくて
料理もうまくて。
友達とか連れて来ると
いつもワッフルとか
人参ケーキとか作ってくれて…。
友達に よく言われた。
お前んちのお母さん 美人で
優しくて最高じゃね? って。
おじいちゃんも いつも
日本一の嫁って褒めてた。
主婦のかがみだ とかね。
そうだったんだ。
それなのに…。
今じゃ その祖父も 母の事を
藤田家の恥のように言います。
父も もう 諦めて
失踪宣告を受けた。
(陸人)本当は
母さんの死体でも見つかったの?
はい?
おい 陸人。
だって なんで 今さら
警察が来るんだよ。
僕 今でも 訳わかんないよ
なんで いなくなったのか。
ねえ 教えてよ。
なんか わかったんなら
教えてくれよ!
(颯太)やめろ。 落ち着けって。
まだ 何もわかっていません。
ただ 我々は
15年前には見つけられなかった
藤田里美さんの真実を
どうにかして見つけ出したいと
思っています。
♬~
飯 食べていきます?
こいつのカレー うまいっすよ。
ねっ?
♬~(レコード)
♬~
ああ… 文字の神様が
下りてきそうで下りてこない。
♬~
♬~
(夫)今日 誰か来るの?
(妻)言ったじゃない。
(営業担当)
本日は見学会 よろしくお願いいたします。
あれ? ナオキ?
(ナオキ)タカちゃん!
(ナオキの妻)わぁ~ 天井 高~い。
《なぜ お前がここに…。
お前は ここに来てはいけないはずだ…》
稼ぐようになると
みんな 広い家 住むじゃない?
あれ 嫌だなぁ。
いいじゃん 家の広さなんか どうだって。
天井が高いと 広く感じるなぁ。
<その家は 「xevoΣ」>
<見学会は 12 13>
いい家だな…。
鳴海先輩って 料理するんですか?
プライベートな質問には
答えないわ。
何? それ。
藤田兄弟に借りたんです。
カレーが めっちゃ美味しくて
おかわりしたら
これぐらい作れたほうがいいって。
字だわ。
これ 藤田里美の字ね。
はい。
長男の颯太くんに
料理を教える時に
使っていたそうです。
いいお母さんですよね。
兄弟も いい兄弟だし。
ねえ これ ここ…。
ああ
ロールキャベツも好きですよ。
あなたのお気に入りメニューに
少しも興味はないの。
見て ここ。
ん?
字が泣いている。
本当だ。
にじんでますね ここ。
科捜研に回して。
私も
見てもらいたいものがあるの。
へえ 珍しいですね。
子供が書いた絵馬に
わざわざ 親が
コメントを書き入れてるなんて。
そう まるで
自分がいなくなる事を予期して
願いを込めたようなメッセージ。
ねえ これはイメージよ。
この字から聞こえてきた
あくまで 勝手な空想だから
ざっくり聞いて。
はい。
長男 颯太くんの絵馬に書かれた
藤田里美の言葉からは
なんていうか
白や淡いピンクのような
母性を感じるの。
「たくさん勉強して 夢を叶えてね」
息子の大きな夢を
まるごと包み込むようなイメージ。
ふむふむ。
一方 次男の陸人くんのは
明るいイエロー。
「がんばれ! がんばれ!」って
少し離れてる所から
応援してるイメージ。
ふむふむ。
どちらも 母性の形だと思う。
でも 長男に使われている
「ね」という語尾は
本質的に 仲間意識や連帯感を
与える要素があるのに対して
次男には それが使われていない。
藤田里美の
2人の息子に対する距離感には
差がある。
これは 情報の縄張り理論という
分析方法で…。
あの 先輩。
さっきから 熱心に
話してらっしゃいますけど
その分析は
かなり こじつけっぽいです。
はい? こじつけって言ったわね?
これ 私が
文章心理学で学んだ事よ。
だって お母さんが
兄弟一人一人の性格に合わせて
書いただけじゃないですか。
颯ちゃんも りっくんも
仲いいけど
性格 面白いぐらい違いますから。
フフ…。
一度 一緒に
カレーを食べただけで
そんな 友達みたいな
馴れ馴れしい呼び方するのは
やめて。
それに 私は
その こじつけ的空想から
こんな事実に たどり着いた。
これ 藤田家の戸籍?
2人とも 顔も性格も
面白いぐらいに違うはずよ。
ああ そのとおりだ。
弟の陸人は
藤田里美の姉 河村綾子の子だ。
おい。
(庄野)はい。
当時 議員の身内の話だから
内密にと言われたらしいんだがな。
河村綾子は未婚のまま出産
1歳にも満たない息子を置いて
新しい男と蒸発した。
で 藤田夫妻が
特別養子縁組にしたいと
申し出たそうだ。
そうだったんですか。
じゃあ その… お姉さんは?
河村綾子さんは
里美さんの失踪の事
なんて言ってたんですか?
ああ それがな…。
事件当時も 男絡みの借金で
行方をくらましていて
所在をつかむ事が
できなかったんだよ。
妹さんとは こう…
タイプの違う女性ですね。
幸いな事に 当時 総理候補だった
藤田陽介氏も
男の孫だったら何人いてもいいと
養子縁組を認め
兄弟仲も良く どこから見ても
理想の家庭だったと
多くの人が言ってる。
里美さんは
絵馬に
メッセージを書いていました。
子供たちへのです。
それだけじゃない。
兄弟2人に それぞれの
好きな料理の作り方を教えて…。
変だと思いませんか?
なぜ わざわざ そんな事…。
もういい!
空想は そこまでだ。
いいか? 目力。
俺はな 科捜研の分析は認めても
文書捜査とかいう名の空想は
一切 認めてないんだよ!
それなら よかった!
ちょうど
科捜研から結果が出たわ。
魔女め…。
鳴海先輩!
あの長い階段
上って来てくれたんですか?
はあ… ええ。
なかなかいい
生活習慣病の予防になりそう。
料理本の書き込みに
使用されたペンは
全て同じインクのペン。
文字のにじみと
その周囲の波打った部分からは
微量のたんぱく質が検出され
恐らく 涙であると考えられる。
涙…?
つまり 藤田里美は
これら たくさんのコメントを
一気に
短期間で書いた可能性が高い。
それも 泣きながら。
やっぱり…。
里美さんは
別れを予感していた?
予感ってなんだ?
消える覚悟で
神社に行ったっていうのか?
ええ 恐らく。
(草加)ここにいたのか。
藤田晃一の元秘書と連絡が取れた。
いい声だと思ったら 草加さん。
あら おかえりなさい。
ああ…。
なんだよ これ…。
なんで 倉庫番が
ここに集合している!?
(草加)藤田晃一は 真面目で温厚。
しかし そんな彼が
過去に一度だけ
テレビを見ていて
壁にグラスを投げつけた事が
あるそうだ。
グラスを投げた?
(草加)ああ。
父親が出ている
国会の中継を見ていた時に。
国会中継って あの
NHKでやってるやつですか?
ああ。 2009年の初めだ。
ほう… 2009年といえば
我々にとっては 実に
思い出深い時期ですよねえ 室長。
いいや 私には
あなたとの思い出などない。
ええ? またまた…。
思い出してくださいよ。
ほら この年は…。
国会で
時効廃止法案が持ち上がった。
そう。
その重大事件の時効廃止に伴い
警視庁に この特命捜査対策室が
できたというわけです。
(アラーム)
(財津)ああ! みんな 時間だ。
あら 本当。
もう5時15分だわ。
無駄な残業は
政界と繋がりを持って
早く捜査一課長か何かに
出世したい誰かさんに任せて
さっさと帰りましょう。
えっ? 我々も
もっと捜査しましょうよ…。
いいから いいから…
我々は アフター5だよ。
はい ほら… 失礼します。
はい はい 急いで 急いで。
へえ… 室長って
捜査一課長に出世したいと…。
(せき払い)
あっ… 失礼しました。
ったく 魔女め…。
いっつも 余計なひと言
言いやがって。
国会で
時効廃止法案が持ち上がった。
15年…。
(川奈部)室長。
15年前失踪した藤田里美に
河村という姉がいたのを
ご存じですか?
ええ もちろん。 当然です。
河村綾子がどうかしました?
転落事件のガイシャ
長瀬真智の携帯の履歴に
何度も同じ飲食店があった。
問い合わせたところ
長瀬真智は
河村という女性店員の事を
執拗に聞き出していたそうだ。
それは…。
(携帯電話の振動音)
(川奈部)失礼。
どうした?
(岡部)「係長」
確かに 河村綾子という女性が
働いていましたが
週明けから
ずっと休んでいるようです。
ちょっと 見た事ないですね。
よ… よく見てください。
懐かしいなあ。
昔 よく
うさぎ跳びとかしてたんですよ。
コート 暑くないんすか?
信じられない…。
なんで アフター5にまで
こんな 階段の多いとこに
来なきゃならないわけ?
そりゃ 真実のかけら探しには
現場が一番ですから。
里美さんが家族と離れ…。
(朋の声)
そのあと 何が起こったのか。
あっ…
例えば 誰かと会ったのかも。
行方不明のお姉さんとか。
次男の母親の河村綾子か。
その可能性は なくはないわ。
で 姉に殺されたとか。
もう… また そんな殺生な…。
私たちの仕事は いつだって
殺生だらけじゃない。
いや しかし
まだ生きている可能性も…。
(携帯電話の振動音)
あっ 岡部くんからです。
あら~ 仲いいのね その同期と。
いや 大して そんな…。
…えっ?
これ… 河村綾子さんの字!
えっ!?
字ですって?
でも これ
随分と癖字ですね。
これは 癖字というより…。
(風の音)
♬~
あっ… あああ…!
鳴海 どうした?
まさか 階段… 階段のせいで
動悸 息切れ?
違う!
やっときた… 文字の神様が。
まだ空想だけど…。
温厚な藤田晃一が
テレビを見てグラスを投げつけた。
その2009年の国会中継で
何が審議されていた?
時効廃止法案。
そう。 そう仮定して
なぜ 彼は カッとしたのか…。
それは…。
時効が
廃止になってほしくないとか?
そう。
彼は時効の完成を待っていた。
じゃあ 藤田晃一さんは
何か悪い事をしていたって事…?
藤田晃一本人か もしくは…。
えっ…?
あなたの前向きな推理が
合ってたのかもしれないわ。
(川奈部)河村綾子さん?
(川奈部)
いや… 藤田里美さんですね?
ここ… 颯太くんと陸人くんの
大学ですよね?
息子さんたちに
会いに来たんですか?
違います…。
私は 藤田里美ではありません。
違います… 違うんです!
私は 河村綾子です!
♬~
駄目です。
(ドアの開く音)
(川奈部)何も話そうとしない。
ずっと ああしたままだ。
私に
話をさせてもらえませんか?
(桑部)はあ?
魔女が自分から取り調べ?
これは あなたの字ですね?
この癖字は 少し不自然です。
まるで 筆跡を隠そうと
わざと癖をつけたような…。
筆跡を隠す?
しかし
人間 筆跡を隠そうとしても
字をたくさん書くと 最後には
自分の筆跡が出てしまう。
だから 筆跡を偽る被疑者に
名前を20回書かせる事もある。
この伝票でも 次第に
書いた人自身の筆跡が出始める。
♬~
この字を書いたのは…
あなたですね?
♬~
もう… 2018年なんですね。
この年を待ちわびてました。
あの日から ずっと…。
(河村綾子)
あの子がこっちにいないと
養育費も もらえないんだよ。
私が苦労して
産んだ子だっつうのに。
(里美の声)
姉が 急に家に来たんです。
お金のためです。
(綾子)陸人! 陸人!
(里美)ねえ もう やめて!
なんで いつもいつも そうなの!?
(綾子)陸人 どこ?
(里美)もう これ以上
私たちに関わらないでよ!
(綾子)離して!
(里美)ねえ!
あっ…!
(衝撃音)
(里美)ああっ…!
ごめんなさい…。
私…。
(里美)どうしよう…。
(里美の泣き声)
(藤田)大丈夫。
♬~
(朋の声)
気が動転している奥さんに
あなたは…。
(泣き声)
お姉さんの死を隠す事を
提案した。
そうですよ。
誰も あんな女 捜したりはしない。
だから このまま
ごまかせばいいよって
僕は そう言ったんです。
でも 里美は駄目だった。
お願い…。 自首させてください。
大丈夫だよ。
だって あんなの正当防衛だろ。
いいえ…。 あんな事して
最低の人間よ。
もう 普通の顔して
颯太や陸人の母親なんか
できない。
罪を償いたいの。
殺人の時効は 15年だ。
このまま 15年間
悪かった悪かったと念じていれば
その罪は消えるよ。
子どもたちの顔を見るのが
つらいの。
お願い! 本当の事を言わせて!
それが一番 家族に迷惑だって事が
わからないのか!?
颯太や陸人を
殺人犯の息子にするつもりか!?
私だって そんなつもりじゃ…。
そんなつもりじゃ
なかったのに…!
ごめんなさい…!
(藤田の声)
妻は わかってくれました。
でも いつまでも
こんな精神状態では
そのうち 父や息子たちに
ばれる可能性がある。
(里美)どうしたら…。
(泣き声)
なら こうしよう。
君は 今まで
本当に いい母親だった。
(藤田の声)僕は考えました。
藤田の家を守るために
藤田里美という人物を
消してしまおうと。
旦那さまの提案どおり
あなたは東京を離れ
殺した姉 河村綾子として
生きる事にしたんですね?
はい…。
(里美の声)これで
藤田の家にも あの子たちにも
迷惑をかけないで済む。
あの子たちの
いい母親のままでいられる。
(里美の声)
2018年10月12日に時効が来れば
罪は消える。
罪が消えれば
いつか 遠くからでも
あの子たちを見る事ができる。
夫の言葉を信じて 我慢しました。
(里美の声)でも…。
♬~
(藤田)もう 終わりにしよう。
ほとぼりが冷めた頃を見計らって
失踪宣告を申し立てようと思う。
そうすれば
戸籍上からも 藤田里美は消える。
(藤田)3000万ある。
河村綾子さんとして
好きなように生きてくれ。
(里美の声)私の人生は
なんだったんだろう…。
(里美の声)素敵な人と結婚して
いい妻に いいお母さんになろうと
ずっと努力してきたのに…。
(里美の声)
でも これも全て自分のせい。
自分のせい…。
♬~
(シャッター音)
(長瀬真智)神隠しの
藤田里美さんですよね?
(真智)やっぱり そうだ。
地元の食堂で見かけて
よく似てるなって思ってたんです。
(里美)なんの事ですか?
(真智)えっ? なんで
こんな所に いるんですか?
理想のお母さんだった人が
なんで 別人の名前で
生きてるんですか?
なんで あんな所で
手 合わせてたの?
まさか…
あそこに 誰か埋まってるとか?
旦那さん
また 選挙 出るんですよね?
息子さんたちもイケてるし
将来有望って感じ。
お母さん生きてるって
教えてあげたいな~。
(真智)
もし バラされたくないんなら
少し お金…。
(悲鳴)
♬~
(里美)えっ…?
♬~
(朋の声)それから数日後
古賀室長から
事件の再捜査を聞いた あなたは
里美さんに
9年ぶりに連絡をした。
(藤田)「お前 何かしたのか?
警察が来たんだ」
「お前の事件を再捜査するって」
何をしたのか知らないが
もし捕まっても 名前は言うな。
「藤田里美だと 絶対に名乗るな」
お前は 藤田里美じゃない。
(電話を切る音)
(里美の声)それが…。
皮肉ですね
結局 15年後にばれるって…。
私が… 殺しました。
♬~
その15年は
あなた方が勝手に決めた事です。
そうです。
殺人の時効と
傷害致死 及び 死体遺棄の罪では
そもそも
考え方が違ってくるんです。
ハハ…。 そうか。
♬~
ちょっと…。
何やってんだ? あんた!
燃やすんですよ。
何もかも
なかった事にすればいい。
あっ 危ない!
ハハハハ…。 お前ら警察も
何もかも みんな燃えろ!
みんな 消えてなくなれ!
(岡部)失礼します。
岡部くん ライター!
♬~
アチチチチチ…。
(ふたを閉める音)
おお… びっくりした。
ああっ…!
藤田晃一
放火未遂の罪で現行犯逮捕する。
僕は何もしていない。
殺したのは里美だ!
いいや!
あんたは殺したんだ
里美さんの人生を。
(すすり泣き)
意識不明だった長瀬真智が
目を覚ました。
そう。 よかった。
(泣き声)
(川奈部)じゃあ 頼んだ。
(岡部)わかりました。
(川奈部)行こうか。
(陸人)母さん!
颯太…。
陸人…。
♬~
(陸人)生きていてくれて…
ありがとう!
(颯太)待ってるから。
僕たち 待ってるから!
♬~
(里美のすすり泣き)
♬~
♬~
(里美のすすり泣き)
藤田里美は生きていた。
あなたの前向きな推理が
当たってたなんてね。
♬~
いつか
お母さんに ごちそうするために
りっくんは
シェフの道を目指すそうです。
で やっぱり 颯太くんは
政治家を目指すって。
厳しい道だけど。
そう。 新しい人生が始まるのね。
はい。
鳴海先輩の人生も
教えてくださいよ。
はい? 何を教えろって?
だから こう…
プライベートな事ですよ。
どうして刑事になったのか とか。
あっ そうそう。
古賀室長と なんで
あんなに仲が悪いのか とか。
そうね…。
前者は いつか話してもいいわ。
えっ! ほ… 本当ですか?
でも 後者は…。
知らない。 向こうに聞いて。
えっ 知らないんですか?
じゃあ
結婚した事があるかどうかは?
好みの男性のタイプとか
得意なお料理とか…。
あっ ちょ…!
先輩 教えてくださいよ!
5年前の手術室で
一体 何が起こったのか?
事件があったのは
手術があった1週間後。
(草加)におうな。
こんなもの 体の中に残すなんて。
(松河森次)今だって俺は
兄さんを助けようと…。
(松河正一)親父の後継者は俺だ。
2人のリーダーはいらない。
後ろ!
(銃声)